■K−4とは
 光岡自動車が2006年10月2日に正式発表したマイクロカーである。
当初は組立済みの「TYPE−R」とキットカーの「K−4」の2つのラインナップで販売される予定であったが、事情によりK−4のみの販売となった。

 予定販売台数は220台で3月初旬よりリリースされた。
改正排ガス規制法により、2サイクルエンジンではその目標値をクリアできないこと、また2サイクルエンジンでさえ開発に数千万かかっていたため、新たな4サイクルエンジンの開発に着手できないことから「最後の2サイクルエンジン搭載車」となる。
 すでにMC−1、K−1ともに販売を2007年3月で終了しているため、現在入手可能なK−4も2007年8月31日で販売終了となるので、入手したい人は急いだ方が良い。
なお、光岡自動車では2サイクルエンジン搭載のマイクロカーの部品供給を2014年まで約束しており、購入してすぐに備品の供給ストップになることはない。
 また、K−4の主要部品はMC−1をはじめとする他のマイクロカーと同じこと、ホンダのDIO系の部品も流用可能なことから、製品の寿命としては他のOLDバイクと同じように長くなると思われる。



■プロトタイプK−4


 Kー4のプロトタイプデザインは現在と異なっている。
「デザイナー的に一番やりたかったデザイン」と松浦氏も語っているが、


一目でわかるように量産車よりもヘッドライト位置が下がっておりスポーティーな印象を受ける。
ヘッドライトが現在の位置になってしまった背景としては、保安基準の改訂が挙げられる。
この改訂によって精悍なマスクが愛嬌のある印象に変わってしまったのは非常に残念である。

 ヘッドライトの位置の改造は簡単なステーの追加工でできると思われるが、保安基準違反になるのでそのままの状態で公道を走ってはいけない。

 K−3の場合、フロントの印象が強すぎていわゆる「顔がでかい」感がいなめないが、このプロトタイプK−4はすっきりと引き締まったデザインになっている。


 サイドビューもマイクロカーという印象を感じさせない。K−3同様に非常にスタイリッシュである。
全長で言えば、K−3よりも長いのでより普通車っぽいフォルムになっている。



 リアビューは、タイヤが太く見える秀逸なデザイン。せり出したフェンダーが力強さを感じる。
K−3は、細いタイヤが目立ってしまうのが残念だがK−4は改良されている印象をうける。

 どうだろうか、量産タイプのK−4と比較すると別モデルとまではいかないまでもだいぶ印象が違って見えるのではないだろうか。


■プロトタイプから量産車へ
 プロトタイプの完成が終わり、そこから量産車に向けてのリファインが行われた。

 手前が試作車両、奥側が量産車両になる。
ボンネットの形状が変わっているのが判る。
 ヒンジ部分が剛性のある形状になっているのが伺える。
実際、ボンネットの開き量も違っていて、開いた時の剛性が高くなっている感じがする。

 
 これは、リアダクトの形状だ。
左が量産車両で、右が試作車両。
わずかな違いだが作り込みのこだわりを感じる。



その他、様々な部分がリファインされて量産車両は作られている。詳細はこちらから>>


■MITUOKAイズムの最後の継承車
 光岡自動車といえば最近ではオロチで有名であるが、会長である光岡進氏が日本で10番目のカーメーカーになるべく心血を注いだ会社である。
 しかし一般には輸入外車販売や、レプリカ製造、改造車などのイメージが強く、会社としての売り上げもそちらがメインなのは事実だ。
 
  だが、光岡自動車はほかのどのメーカーもやらなかったキットカーの販売を手がけたすばらしいカーメーカーなのである。
 車に乗る楽しみやいじる楽しみを提供出来るメーカは世界中いくらでもあるが、「車を作る楽しみを提供出来るメーカー」は多く無いであろう。

 「キットカー・マイクロカーこそ光岡自動車の操業の意義である」と光岡進会長は語ったそうだ。
 以前、進会長に手紙を出したことがありその返事を頂いたことがあった。
 自動車メーカーの会長なのに、1ユーザの他愛もない手紙に真摯に返事を頂けたことが正直驚きだった。

 そこにはなぜマイクロカーを作ったのか?の本当の話が書かれていた。
 MC−1は4年の歳月をかけてようやく完成した車であった。
 営利目的であるならば車両価格も考えてまったくもって採算のとれないものであろう。
 しかし、なぜそこに進会長がこだわり続けていったかが丁寧に書かれていた。

 そんな進会長の想い=MITSUOKAイズムの正式継承車がK−4なのである。

 そして、MITSUOKAイズムの正統継承者が、横野工場マイクロ課の皆さんだと感じた。

 これまでの日本のカーメーカーが行わなかった偉業を成し遂げた彼らにエールを送りたい。





■ベールを脱いだ、「横野工場オリジナルモデル K−4」(7/25)

 かねてから、開発が進められてた「横野工場オリジナルモデル」。
K−4の販売を促進させるため、そしてデザイナーでもある松浦氏のテイストを感じられるモデルとするためじっくりと時間をかけて細部のディテールをブラッシュアップしている。

 ノーマルに比べると、その存在感からか大きく見える。
そう、かつて販売されていたラ・セードを彷彿させるかのような高級感させ兼ねそろえた特別限定モデルなのだ。
 もはや、マイクロカーながら所有することもステータスになり得る感じである。



ミラー、ライトなどは高級感のあるメッキ仕様に変更されている。
また、フェンダーもボディと同色になりスケール感が大きくなっている。

ウインカーランプもクリアレンズを使用し、デザイン的に大きく主張せずバランスが非常に良くなっている。
シートもダークブラウンでボディーの色と良くマッチングしているところも見逃せない。



こちらはバックショット。
インジケータもメッキ仕様である。K−4のバックショットはノーマルでもボリューム感があるが、オリジナルモデルではボリューム感も出しつつ、非常にスッキリとした印象を受ける。



 また、インパネ周りも細部は見えにくいがデザイン性を配慮してあり綺麗だ。



 こちらはややサイドからみたショット。
ボディ横に「MITSUOKA K-4」の文字が大きくデザインされている。

 これまでの安っぽいシールレベルではなく、レタリングされた格好の良いものになっている。
フロントのウインドシールドも付いたことでノーマル以上に走行風からドライバーを守ってくれることであろう。

 今までのK−4のイメージを大きく変えるほど、非常に高級感漂うフォルムに成長した「横野工場限定モデル」。
このモデルは今回の「パールホワイト」と「スーパーブラック」で30台限定で発売される。

 究極のK−4を手に入れたい人は今すぐ発注すべきだ。